最高裁判所第一小法廷 昭和36年(あ)10号 決定
主文
本件上告を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
弁護人柳原武男の上告趣意は、単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であって刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお、本件は、量刑不当を理由とする検察官控訴の事件であり、被告人は、犯行当時被告人が心神耗弱の状態に在ったものとは認められないとした第一審判決に対して、控訴をしていないのである。従って原審が、量刑の点のみにつき判断し、所論被告人の心神耗弱の点について判断しなかったことは、何ら違法ではない。)
よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 高木常七)